竜の時代
遥かなる時代の彼方、巨人・獣人の時代よりもずっと以前の事である。竜はその溢れんばかりの英知と力を持ち、この世界の支配者であった。種族的衰退を迎えるまでその数も驚くほどで、その全てが現代魔術の祖にして人類史上最大の魔術師と呼ばれるOL=DLEARKEに匹敵する魔術の使い手であり、人の魔術がけして実現できない、形式的な儀式を必要としない純粋な本質だけを引き出す洗練された魔術を使う事の出来たという。また彼らの意志は個でありながら、連なるがごとく容易な疎通が可能であり争いは事前に解決する事が出来た為、ザナドゥ第一王朝中期から末期のそれよりも遥かに平和な世界であったと伝えられる。彼らは、巨人・獣人の台頭から人に歴史が受け継がれた現在においても死滅する事もなく、人々から脅威として恐れられているが、それは謝った認識である。クォーリー王国及びザナドゥ第六王朝を襲ったビオラインしかり、ザナドゥ王朝の暗黒時代を築いたキングドラゴン・ガルシスしかり、南方ドラゴンスレイヤー伝説のディルギオスしかり、皆、闇の波動に呑み込まれ正気を失くし、もしくはその姿を似せて実体化した闇の世界とのひずみであったりと竜とは本来極めて温厚な種族であり、我々の生活を脅かすものではない。もしかすると、神格化された竜と人類とのつながりを遮断する為、仕掛けれられた事なのかもしれない。
The Revelation
Michael and his angels fought
against ths Dragon, who fought
back with his angels;
but the Dragon was defeated,
and he and his angels were not
allowed to stay in heaven
any longer. The huge Dragon was
throw out that ancient
serpent called the Galsis: that
decived the whole
world. He was thrown down to earth.
and all his angels within him.
ビオライン(BYOLAINE)
ドラゴンスレイヤー伝説の中で最初に現れたのは、クォーリー王国を襲ったこのビオラインである。
クォーリー王国以前に暴君として名をはせたビオング・ドゥ・ライン王の魂が闇の世界より蘇ったものであり
三つ首黒竜の姿は、彼の意識下にあった闇のそのものの具現化だったと言われる。
かつて人類の街をカオスにおとしいれた三匹の伝説の竜から模したものであろう。
表皮は血に現れた鱗で、見るからに禍々しい。
ザナドゥ第六王朝にもその姿をあらわし、
この事は「ビオライン攻防」としてザナドゥの歴史の中に記録されている。
ディルギオス(DILGEOUS)
南方ドラゴンスレイヤー伝説は、ディルギオスの来襲とそこに済む一族の抵抗を描いた物語である。
元々は地下洞窟に移ってきた単なるシルバードラゴンの一体に過ぎなかったが、
シルバードラゴンでありながら、そのブレスはレッドドラゴンのごとき火炎のブレスであったり、
白銀に輝く美しい皮膚から、汚い土色の皮膚への変色していた事なども含め
闇に永く潜むうちに、彼は徐々に闇の波動が虫食まれていった為
このような事態が起こったのであろうと推測される。
しかし、この物語はあまりに内輪な部分が多く、詳しい調査も行なわれた記録がないので
残念ながらこれ以上多くを語る事は出来ないのが現状である。
ガルシス(GULSYS)
通称キングドラゴンの名の通り、ドラゴンスレイヤー伝説の中で最悪の存在であることは疑いようがない。
ガルシスが元々ガルシウスと呼ばれる神々の一人であった事を知れば誰もが納得する事だろう。
神々の世界は一人の神によって統べられている。創世の時代、ガルシスはその座を狙い反乱を起こしたと言われており
彼の野望のもとに多くの妖精、ドラゴン、天使たちが集まり、大きな戦いが起こった。
戦いは神々の勝利に終わり、反逆者たちは次々とカオスの一部である暗黒界に落とされ、
ガルシスだけは暗黒の宇宙に幽閉された。
ところが暗黒の宇宙はカオスの流れの中心であったが為に
何万年という時間の中ガルシスはそれを充分に吸収し、ついには監獄から抜け出したのである。
ところで、ザナドゥ第一王朝・初代クーブラ・カーン王がザナドゥとしてこの土地を選んだのには理由があった。
カオスから天上界への進化した光の流れ通り道だったのである。
また、ザナドゥ第六王朝では大魔術師Ol-DreakeによってDeathが編み出された。
この魔法は単純かつ絶大な破壊力を持つ代わりに時空に歪みを生じさせる。
ガルシスはこの歪みとして、ザナドゥ第十三王朝・シュリデン王の時代に
暗黒界と物質界の接点であり、天上界への通り道であるザナドゥに現れたとされている。
つまるところ、彼にとってザナドゥは単なる腰掛けであり
真の目的は神々への復讐に他ならないのである。
第十九王朝時代においてガルシスは一旦、ドラゴンスレイヤーを持つ勇者によって倒される。
しかし、第二十一王朝時代へと時が流れても、暗黒界の力は衰えるばかりか強まる一方であった。
またこの頃ザナドゥでは妙な噂が囁かれていた。第一王朝時代の古文書に
「ドラゴンスレイヤーには本物と模造品の二本があった」と記されていたのである。
この噂が広まる頃には、ガルシスを倒した剣が模造品で、ガルシスは未だ健在なのではという新たな噂が広まっていた。
そして、実際ガルシスは生きていた。
復活後のガルシスは実に慎重であり、
闇の世界で持てる全ての力をこちらの世界に実体化し
シリューガの三つ星の力をも内に取り込もうとしていた。
結局のところ、それが原因で再生が遅れ、
再びドラゴンスレイヤーの前に敗れる事になる。
ヴァイデス(VAYDETH)
ロマンシア伝説に語られる龍ヴァイデスはカオスの中から生まれたとされている。
全長が二十メートルにもなるこの龍は一時期闇の力に侵され、
ロマンシア、アゾルバの両国を襲うも、ファン・フレディ王子によって解放された。
ここで誤解のないように言っておきたいのは
カオスとはイデオロギー根幹であり、動のエネルギーそのものであるが
これを無秩序と混同してはならない事である。
悪魔崇拝として名高いフォノメタシオ教団など求める無秩序とはエネルギーの浪費でしかないのだ。
ところで、コラーニア地方にも同型の龍が出てくる伝説があるがこちらに関しては
どういった進化の系譜に属するものか全く不明である。
ダルダンディス
ダルダンディス。ザナドゥにおいてこの名を知る者は一人としていないだろう。
何故なら一度としてダルダンディスこの世界に姿を見せた事はないのだから。
遠い彼方?否、それはこの時、この場所なのかもしれない。
ドラゴンスレイヤーが次元をも超越した存在であるように、その伝説もまた次元を超えた物語なのである。
その地、イシュタリアに突然の災いが訪れたのは一千年の昔。
無限の魔力を秘めたクレーネジュエルを携え、ダルダンディスは飛来した。
その力たるや大地を割り、海を焦がし、全ての人々を絶望に呑み込んだが
そこに現れたのが後にアステル王朝を築く事となるアイネアスである。
九日間にも続く死闘の末、ダルダンディスはその眉間に一撃をくらい沈黙した。
そしてアイネアスの偉業も伝説の中に埋もれた一千年の後、
彼は再びその力をイシュタリアに誇示する事になる。